臨床試験/臨床統計

臨床試験 投与量と副作用の関係 [★★]

投稿日:2020年6月14日 更新日:

今回は安全性の補足として、投与量と副作用(有害事象)の関係について簡単に記載します。
以前一般向け記事として記載した内容と同じです。

薬の量と効果・副作用の関係 ~至適用量の話~ [★]
血中濃度が薬の効果や持続時間の指標-②[★]

有効性と安全性は薬の血中濃度で決まります。
(通常、投与量を多くすれば血中濃度も大きくなりますので、投与量と血中濃度は対応関係にあると考えます)
血中濃度(投与量)を大きくすれば効果は高くなりますが、一方で副作用も多くなります。
血中濃度(投与量)を小さくすれば副作用は少なくなりますが、効果が弱くなります。
よって、有効性と安全性のバランスがうまくとれる血中濃度(投与量)を用いて治療することになります。

臨床試験の結果に記載されている副作用(有害事象)は、その試験で用いられた投与量・投与回数におけるものであることをおさえておきましょう。
(添付文書に記載されている副作用は、臨床試験を基に記載されていますので、添付文書の記載内容も同様です)
臨床試験で用いられた投与量(添付文書に記載された投与量)を上回る量を投与したり、定められた投与回数・投与間隔とは異なる使い方をしたりすると、副作用(有害事象)の発現が多くなる可能性もありますし、未知の副作用(有害事象)があらわれる可能性もありますので注意が必要です。

今回は短いですが、安全性の補足として記載しました。
次回ですが、これまでの臨床試験の知識を活用するための情報源について整理してみます。

<Sponsered Link>



-臨床試験/臨床統計