臨床試験/臨床統計

臨床試験 CONSORT [★★]

投稿日:2020年7月26日 更新日:

今回はCONSORT(CONSORT声明)について簡単に触れたいと思います。
CONSORTとは臨床試験の論文作成のためのガイドラインです。
”Consolidated Standards of Reporting Trials”の略で、訳すと「臨床試験報告に関する統合基準」です。
RCT(無作為化並行群間比較試験)のためのガイドラインであり、チェックリストとフローチャートからなっています。

チェックリストはRCTを報告する際に含まれるべき情報が項目立てされています(CONSORT2010では25項目)。
少し分かりやすいように例ですが、「方法」の項目として「試験デザイン」、「症例数」、「ランダム化」、「統計学的手法」などがあり、「結果」の項目として「ベースライン・データ」、「解析された人数」などがあります。
これらの項目がきちんと網羅して記載されるように、チェックリストになっています。

フローチャートは
「組入れ」→「無作為化」→「割振り」(無作為化による割振り)→「追跡」→「解析」
の順に、n数(除外されたn数も)が追えるように記載するようになっています。

チェクリストとフローチャートをこちらの記事に掲載したいところなのですが、著作権があるので無断で掲載することができませんので、「CONSORT」や「CONSORT2010声明」などで検索してみてください。(日本語のものが上位に出てきますので)

CONSORTはRCTの論文の質を向上するために作成されたもので、世界中で用いられています。
主な国際誌に論文として投稿する場合は、CONSORTに対応する必要があります。

それでは、なぜ今回CONSORTを紹介したのか?ですが、
CONSORT自体は論文を作成する方向けのものなのですが、チェックリストの項目は論文を読む際に注目するポイントになっています。
RCTの論文を読む際、CONSORTのチェックリストを用いて確認していくと分かりやすいかと思います。

今回は短いですが、以上となります。
「臨床試験」で記載予定の話題は、残すところ「統計」についてのみとなります(とりあえず)。
統計については専門家でないので、きちんとした説明はできないのですが、知っておくべき事項について、並べるだけ並べてみたいと思います。
(用意するのに時間がかかるかもしれません…)

また先日、新型コロナウイルス治療薬 レムデシビルの治療効果や安全性について紹介しましたが(一般の方も対象とした記事)、そちらの論文を用いて、臨床試験の論文の読み方の復習をしていきたいと思います。

<Sponsered Link>



-臨床試験/臨床統計