CTD(Common Technical Document, コモン・テクニカル・ドキュメント)

企業が新しく開発した薬を販売するためには、日本で承認される必要があります。その際、企業は承認を取得するための審査を申し出る(承認申請する)必要があります。その承認申請の際に必要となるのがCTD(Common Technical Document, コモン・テクニカル・ドキュメント)です。

CTDには企業が行った各試験結果の詳細が掲載されており、それを基に新しい薬を承認してよいかどうかが検討されます。

CTDには添付文書やインタビューフォームに掲載されていないデータがたくさんありますので、インタビューフォームをみても欲しい情報がないときに、CTDをダウンロードして確認するとよいでしょう。
ただ、CTDは膨大な資料で、数千ページを超すようなものもありますので、ある程度慣れていないとデータ探しは大変かと思います。

<CTDの取得>
1. PMDAのサイトに行きます。
↓こちらが検索ページとなっています。
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

2. 検索ページの左上に「一般名・製品名(医薬品の名称)」とあるので、こちらに添付文書が欲しい薬の名前を入れます。
例えば、花粉症の薬に使われる「ビラノア」の場合、製品名が「ビラノア」で、一般名は「ビラスチン」ですので、どちらを記載しても構いません。

3. ちょうどその下に、「検索結果一覧で表示する文書を選ぶ」とあるので、「審査報告書/再審査報告書等」にチェックが入っていることを確認します。

4. その頁の一番下にある「検索」ボタンをクリックします。

5. 検索結果が表示されるので、「審査報告書/再審査報告書等」のところからファイルをダウンロードします。
CTDは「申請資料概要」なので、そこをクリックします。
(「審査報告書」も同じ箇所にありますが、そちらは別の資料です)

ためしに「ビラノア」で試してみてください。
「申請資料概要」をクリックすると、左にタブがでてきて、以下のように項目分けされています。
1. 「起原又は発見の経緯及び開発の経緯」等の資料
2. 諸言
3. 品質に関する概括評価
4. 非臨床に関する概括評価
5. 臨床に関する概括評価
6. 非臨床概要(1)薬理
7. 非臨床概要(2)薬物動態
8. 非臨床概要(3)毒性
9. 臨床概要

それぞれの項目ごとにファイルとなっています。
臨床試験の個別の試験は「9. 臨床概要」にあるので、そちらをみることが多いです。
ビラノアでは、「9. 臨床概要」のところが「1」「2」「3」とあり、3つのPDFファイルに分かれています。試しに「1」~「3」をみてみると、細かく番号がついており、2.7.1、2.7.2~2.7.6まであります。

個々の臨床試験結果は2.7.6にありますので、その頁を探してます。
ビラノアの場合は「2」のファイルの3頁目からとなっています。
2.7.6のはじめに目次がありますので、試験名を参考にするなどして、欲しい試験の情報をみていきます。

この説明だけだと、「こんな膨大な資料みたくないよ!」となりますので、また別の機会に詳細を解説したいと思います。(今回はとりあえず取得の仕方のみということで)

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