さて今回は、前回までに述べた血中濃度を用いて、薬がどれくらいの時間で効果を発揮するのか、またどれくらい効果が持続するのか、その目安について添付文書を用いてみていきたいと思います。
僕が風邪ひいたときにいつもお世話になる喉の痛み止め「ブルフェン」(一般名:イブプロフェン)を題材としてみていきます。
とりあえず添付文書をPMDAのサイトからダインロードしてください。
血中濃度は「薬物動態」という項目の中に記載してありますので、そのグラフをみてください。
(添付文書3枚目の右下です)
下のようなグラフが掲載されており、その右に表でCmax、Tmax、T1/2という3つの値が記載されています。
Cmaxというのは血中濃度が最大になったときの濃度です。
Tmaxは血中濃度が最大になったときの時間、言い換えるとCmaxとなったときの時間です。
T1/2は体に入れた薬の量がちょうど半分になるまでの時間と思ってください。
Tmaxは2.1時間ですので、薬を飲んで約2時間後に最大の濃度となります。
よって、約2時間程度で薬が効いてくるだろうとイメージできます。
また、薬が半分になる時間(T1/2)も1.8時間と約2時間程度ですので、その後は薬の効果が減弱していくだろうとイメージできます。
グラフをみると10時間後にはほとんど体内から消失していますので、効果も消失するとイメージできます。
このように、血中濃度のグラフをみると、薬を飲んでからどのくらいの時間で効果が現れるのか、またどれくらい薬が持続するのかがみえてきます。
ただし、血中濃度と効果の持続時間が対応しない薬も中にはあります。
(そのため、上記イメージと記載しました)
次回は血中濃度を用いて、食事の影響についてみていきます。
(服用時間の食前や食間といった話です)
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